たけのこ赤軍の自由帳

反復積分とNona ReevesとPrinceとRED SPIDER

近況報告

最近ブログが更新できておらず申し訳ありません。理由は

10%:やってる数学の量が多くて簡単にブログに書けるようなものではない
90%:このブログの存在を忘れていた

ことです。

最近やっている数学の話

正月の数学カフェが終わってから1ヶ月ほどは何もしておらず、それからついこないだまでの一ヶ月半(2018年2月上旬~3月下旬)は主に多重ガンマ関数に興味が湧いておりそのあたりをいろいろ調べていました。
発端は1976年の新谷卓郎先生の論文
https://projecteuclid.org/download/pdf_1/euclid.tjm/1270472992
で、「現代三角関数論」においてこの論文に載ってある等式が(結果だけ)引用されており、それに興味を持ったのでした。スターリング保型形式の積 \rho_2(1,\tau)\rho_2(1,-\tau) が簡単な因子を除いて半整数ウェイトの保型形式になるというもので、この論文では二重ガンマ関数の積分表示を用いて証明していました。
この一ヶ月半ではその一般化を考えていて、$r$ 重ガンマの積分表示から $r$ 重スターリング保型形式の積の表示を出そうと奮闘していました。いい感じのpdfが書けたので近々公開しようと思います。

そしてそれから今までの2週間はちょっと趣向を変えてq-解析に手を出していました。というのも、3月の頭に神戸大学で行われた多重三角関数の研究集会に行ってきまして。(中学校の学ランで乗り込んだらずいぶんと驚かれました。)
3日間の全日程参加したのですが、そこで紹介された多重楕円ガンマ関数というものに興味がわきました。少し計算してみるとそれはどうもq-多重ガンマで書けるようで、結局のところq-多重ガンマを考えるのが良いんではないかという結論に至りました。q-二項定理の一般化とかできたらいいなーって思ってます。

音楽の話とか

12月ごろからプリンスの音楽ばかり聴いているのですが、一週間に一回ぐらいCD屋・レコード屋を巡ってアルバムをかき集めていたところ、なんと多作な彼のアルバムのうち約半分が揃ってしまいました。詳細なディスコグラフィの一覧はWikipediaに譲るとして、いまぼくが持っているアルバムは以下です:

・Prince(愛のペガサス)
・Dirty Mind
・Controversy(戦慄の貴公子)
・1999
・Purple Rain Expanded
・Around The World In A Day
・Parade
・Sign 'O' The Times
・Lovesexy
・Graffiti Bridge
・Diamonds And Pearls
・Love Symbol
・Come
・Chaos And Disorder
・Emancipation
・The Vault: Old Friends 4 Sale
・Rave Un2 The Joy Fantastic
・Art Official Age
・Plectrumelectrum
・HITnRUN Phase 1
・HITnRUN Phase 2

こうして見ると2000年代のアルバムがごっそり抜け落ちていますね。というのも、殿下は当時の通常流通ルートから外れるのにハマっていたようです。The Slaughterhouseなんかは(当時主流ではなかった)ダウンロード限定販売ですし、Planet Earth(地球の神秘)に至っては発売前にイギリスの新聞にくっつけて無料配布するというとても常人には思いつかないことをやっています。いまでは殿下が亡くなったこともあってダウンロード販売のものも徐々に物理的な販売がなされてきましたが、それでも手に入りづらいですね。
デビューから90年ごろにかけては何度か再発がなされたこともあって中古屋なんかでは比較的安く手に入ります(これは殿下に限らず、マイケル・ジャクソンのInvincibleなんかも300円ほどで売っていることがあります)が、97年のCrystal Ballなんかだと安い店でも12000円ほどします。再発が待ち遠しいです。なお99年のRave Un2~は梅田の「ディスクユニオン」で450円で手に入れました。やっす!こんな名盤がワンコインで売られていいんでしょうか。

最近お気に入りのアルバムはParadeと1999です。やはり殿下全盛期のアルバムは良いですね。Paradeに関しては本人が「Kiss以外は失敗作」と仰っていましたがとんでもない、名曲揃いです。もちろんKissがヒットしたのは事実ですが・・・(When Doves Cry(ビートに抱かれて)に続く2曲目のベースなし曲というのもあります。)
Paradeでとくに好きなのはNew PositionとGirls&Boysです。このアルバムは基本的に全曲がつながっていて、通しで聴くのが本来の聴き方なのですが、一曲一曲のインパクトが凄まじいのでどうしても単独で聴きたくなります。ただし、Girls&Boysを聞き終わってから他の曲に行くのはやはり違和感があります。そこからもともとのLife Can Be So Niceに繋ぐのがベストですね。
一方で1999はシングル・カットされたLittle Red Corvetteがあるにもかかわらず、不思議とアルバムまるごと聴くほうがしっくりきます。前半の1999からAutomaticまでの流れは一曲たりとも飛ばせません。しかし歌詞のインパクトが強いアルバムで、タイトル曲の1999なんかは「空は紫色に染まり、人々は逃げ惑う。しかしお分かりの通り、俺はちっとも気にしちゃいない」なんて。もちろん人類の終末をテーマにしたものですが、空が紫色に染まっているあたり殿下ですね。というか、こんなに楽しい曲調で終末を歌うのがもうすごいですね。5年後のSign 'O' The Timesではもうちょっとまじめにやっているのですが。