たけのこ赤軍の自由帳

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depth 2 の和公式と超幾何定理

この記事はこの曲を聴きながら読むのがオススメです:
Tevin Campbell - Shhh

Tevin Campbell - Shhh (Break It Down)



ゼータ Advent Calendar 2019 - Adventar へようこそ。本記事は 2 日目の記事です。




再び盛大に遅れてすみません。理由は私の怠惰です。




ここ最近 MZV (多重ゼータ値) の記事が多いですね。今回も例に漏れずそうです。

MZV に関して、和公式 (sum formula) という定理があります。まずはそれについて復習しましょう:


言葉の定義は毎度毎度やっていますが、今回も必要な分だけ書きます。

r を正整数とし、 \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r) を正整数 r 個の組とします。このような \boldsymbol{k} をインデックスと呼びます。最後の成分 k_r2 以上のとき、\boldsymbol{k} を許容インデックス (admissible index, 略して adm. index とも) と呼びます。成分の個数 r\boldsymbol{k} を depth、成分の和 k:=k_1+\cdots+k_r\boldsymbol{k} の weight と呼び、それぞれ \mathrm{dep}(\boldsymbol{k})=r,\,\mathrm{wt}(\boldsymbol{k})=k と書くことにします。

許容インデックス \boldsymbol{k} に対し、多重ゼータ値 (multiple zeta value, MZV) を以下で定義します:

\displaystyle \zeta(\boldsymbol{k}) := \sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}

\boldsymbol{k} が許容的なのでこの級数は収束します。

また、正整数 rk>r に対して集合 I(k,r)I_0(k,r) をそれぞれ

I(k,r)=\{\boldsymbol{k}\,|\,\mathrm{dep}(\boldsymbol{k})=r,\,\mathrm{wt}(\boldsymbol{k})=k\}
I_0(k,r)=\{\boldsymbol{k}\,|\,\mathrm{dep}(\boldsymbol{k})=r,\,\mathrm{wt}(\boldsymbol{k})=k,\,\boldsymbol{k}:\mathrm{adm}.\}

と定めます。このとき和公式が次のように state されます:



[定理 (和公式)]


正整数 rk>r に対して
\displaystyle \sum_{\boldsymbol{k}\in I_0(k,r)} \zeta(\boldsymbol{k})=\zeta(k).


平たく言うと "weight と depth を固定した MZV の和が Riemann ゼータ値になる" という定理ですね。

今回はその中でも、depth が 2 のケースについて扱います。まともに書くなら、正整数 k に対し

\displaystyle \zeta(1,k+1)+\zeta(2,k)+\cdots+\zeta(k,2)=\zeta(k+2)

という感じですね。



私の Twitter のフォロワーである NKSΣ (@nkswtr) 君がこの等式の超幾何級数を用いた証明を発見し、その方法がどうも新しそうだということで記事にしました。(本人に許可はとっています)



[depth 2 の和公式の新証明]

まずは超幾何定理について紹介します。複素パラメータ a,b,c と変数 z に対し

\displaystyle {}_2F_1\left(\begin{matrix}a,b\\ c\end{matrix};z\right)=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(a,b)_n}{n!(c)_n}z^n

と定めます。ここで正整数 n に対し (X)_n=\prod_{i=0}^{n-1} (X+i) であり、(X)_0=1 です。また、(X,Y)_n=(X)_n(Y)_n とおきました。

この級数に対し、次のような定理が成り立ちます:



[定理 (Gauss の超幾何定理)]


\mathrm{Re}(a+b)<\mathrm{Re}(c),\,c\notin\mathrm{Z}_{\leq 0} のとき
\displaystyle {}_2F_1\left(\begin{matrix}a,b\\ c\end{matrix};1\right)=\frac{\Gamma(c)\Gamma(c-a-b)}{\Gamma(c-a)\Gamma(c-b)}.



証明は簡単です。例えば

tsujimotter.hatenablog.com

をご覧ください。


次にいくつか記号を導入します。複素数 X と正整数 n に対し

\displaystyle \{X\}_n=\sum_{i=0}^{n-1} \frac{1}{X+i}

とおきます。また \{X\}_0=0 とします。見ればわかるように

\displaystyle \frac{d}{dx}(x)_n=(x)_n\{x\}_n

ですね。また、複素パラメータ a,b,c,x と変数 z に対し

\displaystyle {}_2F^H_{1,1}\left(\begin{matrix}a,b\\ c\end{matrix};x,z\right)=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(a,b)_n}{n!(c)_n}\{x\}_nz^n

とおき、調和数つき超幾何級数と呼びます。*1

超幾何定理の両辺を微分すると明らかに

\displaystyle {}_2F^H_{1,1}\left(\begin{matrix}a,b\\ c\end{matrix};a,1\right)=\frac{\Gamma(c)\Gamma(c-a-b)}{\Gamma(c-a)\Gamma(c-b)}(\psi(c-a)-\psi(c-a-b))

がわかります。ここで \psi はガンマ関数の対数微分です。

ここで bx に、cx+1 に、a1-a に置き換えると

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{x(1-a)_n\{1-a\}}{n!(n+x)}=\frac{\Gamma(x+1)\Gamma(a)}{\Gamma(a+x)}(\psi(a+x)-\psi(a))

となります。両辺 x で割ると

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(1-a)_n\{1-a\}_n}{n!(n+x)}=\frac{\Gamma(x)\Gamma(a)}{\Gamma(a+x)}(\psi(a+x)-\psi(a))

ですね。ここからの計算がちょっと面倒です。両辺 x微分して -1 を掛けます:

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(1-a)_n\{1-a\}_n}{n!(n+x)^2}=\frac{\Gamma(x)\Gamma(a)}{\Gamma(a+x)}({}(\psi(x)-\psi(a+x))(\psi(a)-\psi(a+x))-\psi'(a+x))

となります。さてここから a\to 0 という極限をとることを考えます。左辺は

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{H_n}{(n+x)^2}

となることが簡単にわかります。ここで H_n=\{1\}_n です。右辺がこれまためんどくさいのですが、前の因子 \Gamma(x)\Gamma(a)/\Gamma(a+x)a\to 0 のとき 1/a+O(1) という具合の展開を持つので、後ろの因子が a=0 に零点を持つことを使えば

\displaystyle \frac{(\psi(x)-\psi(a+x))(\psi(a)-\psi(a+x))-\psi'(a+x)}{a}

a\to 0 の極限を考えればいいことになりますね。a\to 0 のとき

\displaystyle \psi(x)-\psi(a+x)=-\psi'(x)a-\frac{\psi''(x)}{2}a^2+O(a^3)

\displaystyle \psi(a)-\psi(a+x)=-\frac{1}{a}-(\gamma+\psi(x))+O(a)

となるので、

\begin{eqnarray*}\displaystyle &&(\psi(x)-\psi(a+x){})(\psi(a)-\psi(a+x))-\psi'(a+x)\\&=&\left(\psi'(x)a+\frac{\psi''(x)}{2}a^2+O(a^3)\right)\left(\frac{1}{a}+(\gamma+\psi(x))+O(a)\right)-\psi'(x)-\psi''(x)a+O(a^2)\\&=&\left({}(\gamma+\psi(x))\psi'(x)-\frac{\psi''(x)}{2}\right)a+O(a^2)\end{eqnarray*}

がわかります。したがって

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \frac{H_n}{(n+x)^2}=(\gamma+\psi(x))\psi'(x)-\frac{\psi''(x)}{2}

を得ました。*2

最後のパートとして、ここから両辺を x で高階微分することを考えていきます。k を正整数として左辺を k-1微分し、x=1 とすると  (-1)^{k-1}k!\zeta(1,k+1) となります。一方で、よく知られた事実として、Hurwitz ゼータ関数

\displaystyle \zeta_H(s,w)=\sum_{n=0}^{\infty} (n+w)^{-s}

によって*3 \psi の高階微分

\displaystyle \psi^{(k)}(w)=(-1)^{k+1}k!\zeta_H(k+1,w)

と書けるというものがあります。これを使うと右辺の k-1微分

\begin{eqnarray*}\displaystyle &&\frac{1}{2}(-1)^{k+1}(k+1)!\zeta_H(k+2,x)+(-1)^{k+1}k!\zeta_H(k+1,x)(\gamma+\psi(x))\\&{}&+\sum_{j=1}^{k-1} (-1)^k(k-1)!(k-j)\zeta_H(j+1,x)\zeta_H(k-j+1,x)\end{eqnarray*}

となります。x=1 とすると \zeta_H(s,x)=\zeta(s) (右辺は Riemann ゼータ) なので、結局

\begin{eqnarray*}\displaystyle &&(-1)^{k-1}k!\zeta(1,k+1)=\frac{1}{2}(-1)^{k+1}(k+1)!\zeta(k+2)\\&{}&+\sum_{j=1}^{k-1} (k-1)!(k-j)\zeta(j+1)\zeta(k-j+1)\end{eqnarray*}

という具合です。ただし最後の変形では \psi(1)=-\gamma であることを使いました。両辺 (-1)^{k-1}k! で割ると

\begin{eqnarray*}\displaystyle &&\zeta(1,k+1)=\frac{k+1}{2}\zeta(k+2)\\&{}&-\sum_{j=1}^{k-1} \left(1-\frac{j}{k}\right)\zeta(j+1)\zeta(k-j+1)\end{eqnarray*}

ですが、ここで簡単な等式*4

\zeta(k_1)\zeta(k_2)=\zeta(k_1,k_2)+\zeta(k_2,k_1)+\zeta(k_1+k_2)

を右辺のゼータ値の積のところに適用すると

\begin{eqnarray*}\displaystyle \zeta(1,k+1)&=&\frac{k+1}{2}\zeta(k+2)-\sum_{j=1}^{k-1} \left(1-\frac{j}{k}\right)(\zeta(j+1,k-j+1)+\zeta(k-j+1,j+1)+\zeta(k+2))\\&=&\zeta(k+2)-(\zeta(2,k)+\zeta(3,k-1)+\cdots+\zeta(k,2))\end{eqnarray*}

が出てきます。カッコ内を移項すると和公式の証明が完成します。[証明終わり]



本当に新しいかどうかは (MathSciNet とかを使ってまでは) 確かめていませんが、面白い証明であることには変わりなさそうです。この素晴らしい証明を考えついた NKSΣ 君に尊敬の意を表します。

*1:証明には使っていませんが、NKSΣ 君はより一般的に \displaystyle {}_pF^H_{q,r}\left(\begin{matrix}a_1,\cdots,a_p\\ b_1,\cdots,b_q\end{matrix};c_1,\cdots,c_r;z\right)=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{(a_1,\cdots,a_p)_n}{n!(b_1,\cdots,b_q)_n}\{c_1,\cdots,c_r\}_nz^n を考えています。証明だけじゃなく、どうもこの対象が新しいみたいですね。

*2:厳密にはこの等式が NKSΣ 君の成果で、ここから和公式を出せるというのは私の 蛇足 戯言 余計な一言 助言です。

*3:ふつうは記号に H なんてつけないのですが、コレがないと二重ゼータ値 \zeta(k_1,k_2) と間違えそうなのでこういう措置をとっています。

*4:調和関係式というヤツです。このケースは左辺の二重和をバラすと一瞬で出ます

複素変数大野関係式

この記事はこの曲を聴きながら読むのがオススメです:
The New Power Generation - Get Wild

Prince (New Power Generation) performing 'Get Wild' on The White Room



ゼータ Advent Calendar 2019 - Adventar へようこそ。本記事は 10 日目の記事です。



最初に、本記事の完成が盛大に遅れたことをお詫び申し上げます。2 日目の記事もすぐ仕上げます...




前回に引き続き大野関係式の話です。前回の記事は

o-v-e-r-h-e-a-t.hatenablog.com

を、大野関係式自体の仔細は

integers.hatenablog.com

をご覧ください。



さて今回はこの論文

[1808.07203] An interpolation of Ohno's relation to complex functions

の主定理についてお話します。これは大野関係式の「複素数への補間」をもたらします。



とりあえず大野関係式についての (前回のほぼコピペですが) 復習を。

r を正整数とし、 \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r) を正整数 r 個の組とします。このような \boldsymbol{k} をインデックスと呼びます。最後の成分 k_r2 以上のとき、\boldsymbol{k} を許容インデックスと呼びます。

許容インデックス \boldsymbol{k} に対し、多重ゼータ値 (multiple zeta value, MZV) を以下で定義します:

\displaystyle \zeta(\boldsymbol{k}) := \sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}

\boldsymbol{k} が許容的なのでこの級数は収束します。


次に双対性を state します。許容インデックス \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r) は正整数 a_1,b_1,\cdots,a_s,b_s による一意な表示

\boldsymbol{k}=(\underbrace{1,\cdots,1}_{a_1-1},b_1+1,\cdots,\underbrace{1,\cdots,1}_{a_s-1},b_s+1)

を持つので、これによって \boldsymbol{k}^{\dagger}

\boldsymbol{k}=(\underbrace{1,\cdots,1}_{b_s-1},a_s+1,\cdots,\underbrace{1,\cdots,1}_{b_1-1},a_1+1)

と定めます。



このとき、次の定理が成り立ちます:


[定理 (双対性)]


許容インデックス \boldsymbol{k} に対し
\zeta(\boldsymbol{k})=\zeta(\boldsymbol{k}^{\dagger}).

これだけでも非常に美しく非自明な定理なのですが、大野関係式はこれをさらに強くします。非負整数 m と許容インデックス \boldsymbol{k} に対し大野和を以下で定義します:

\displaystyle I_{\boldsymbol{\mathbb{k}}}(m)=\sum_{\boldsymbol{e}\geq\boldsymbol{0}, |\boldsymbol{e}|=m} \zeta(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e}).

ここで、和の変数 \boldsymbol{e}=(e_1,\cdots,e_r) は非負整数 r 個の組であって各成分の和が m であるようなものをわたり、 \oplus は各成分ごとの和とします。以降 \boldsymbol{e}\geq\boldsymbol{0} は省略します。


このとき、大野和に対しても双対性が成り立つ O_m(\boldsymbol{k})=O_m(\boldsymbol{k}^{\dagger}) と主張するのが大野関係式です。当然 m=0 とすれば \zeta(\boldsymbol{k}) の双対性が得られます。


さて複素補間を考えていきます。許容的とは限らないインデックス \boldsymbol{k}\in\mathbb{Z}^r_{\geq 1}複素数 s に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle I_{\boldsymbol{k}}(s)=\sum_{i=1}^r \sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}\frac{1}{n_i^s}\prod_{j\neq i}\frac{n_j}{n_j-n_i}\end{eqnarray*}

と定めます。ここで積の条件 j\neq ii でない整数 j=1,\cdots,r をわたるものと約束します。

この関数 I_{\boldsymbol{k}}(s) が大野和の一般化になっていることを次の補題で確認します。


[補題1]


r 個の実数 a_1,\cdots,a_r と非負整数 m に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle\sum_{|\boldsymbol{e}|=m} a_1^{e_1}\cdots a_r^{e_r}=\sum_{i=1}^r a_i^{m+r-1}\prod_{j\neq i}(n_i-n_j)^{-1}\end{eqnarray*}

が成り立つ.

証明.
i=1,\cdots,r に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle A_i=a_i^{r-1}\prod_{j\neq i} (a_i-a_j)^{-1}\end{eqnarray*}

とおきます。補題の両辺の m に関する母関数をとって、

\begin{eqnarray*}\displaystyle\prod_{i=1}^r \frac{1}{1-a_ix}=\sum_{i=1}^r \frac{A_i}{1-a_ix}\end{eqnarray*}

を示すことにしましょう。両辺に (1-a_ix) の積をかけることで分母を払い、示したい等式が

\begin{eqnarray*}\displaystyle 1&=&\sum_{i=1}^r A_i\prod_{j\neq i} (1-a_jx)\\&=&\sum_{i=1}^r \prod_{j\neq i} \frac{x-a_j^{-1}}{a_i^{-1}-a_j^{-1}}\end{eqnarray*}

のように変形できるので、Lagrange 補間

mathtrain.jp

が適用できます。具体的には r\{(a_i^{-1},1)\} に対し Lagrange 補間を適用することで上記等式が示せます。[証明終わり]


この補題を大野和の定義 (多重ゼータ値の線型和のほう) に適用することで、複素変数の I_{\boldsymbol{k}}(s)s=m としたものと一致することが確認できます。

次の補題は有名です (証明は Apostol の教科書 Introduction to Analytic Number Theory などを参照)。


[補題2]


ある実数 \sigma に対し \mathrm{Re}(s)>\sigma 上で絶対収束する二つの Dirichlet 級数

\begin{eqnarray*}\displaystyle F_i(s)=\sum_{n=1}^{\infty} \frac{a_{i,n}}{n^s} \, & (i=1,2)\end{eqnarray*}

が与えられているとする。実部が正の無限大に発散するような列 \{s_{\lambda}\} が存在して各 \lambda に対し F_i(s_{\lambda})i に依存しなければ F_1=F_2 となる。

i に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle\sum_{n_i=i}^{\infty} n_i^{-s} \left(\sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}\prod_{j\neq i}\frac{n_j}{n_j-n_i}\right)\end{eqnarray*}

は明らかに Dirichlet 級数です (カッコ内の和では n_i を固定していることに注意)。なので、必然的に I_{\boldsymbol{k}}(s) も Dirichlet 級数です。F_1(s)=I_{\boldsymbol{k}}(s),\,F_2(s)=I_{\boldsymbol{k^{\dagger}}}(s) とおけば、大野関係式より非負整数 \lambda に対し F_i(\lambda)i に依存せず定まります。従って s_{\lambda}=\lambda\in\mathbb{Z}_{\geq 0} と選ぶことで補間大野和とその双対 F_i(s)補題 2 の仮定を満足し、F_1(s)=F_2(s) がいえます。これが示したいことでした。[主定理の証明終わり]


Acknowledgements. 原論文の Lemma 2.1 (本記事での補題 1) の証明を教えてくださった Oddie さん @math_elliptic、ADE さん @grand_antiprism、Kuma さん @notori48 に感謝します。こいついつも最初の補題の証明人任せだな

二重大野関係式

この記事はこの曲を聴きながら読むのがオススメです:
Prince - Ripopgodazippa

04.Ripopgodazippa



日曜数学 Advent Calendar 2019 - Adventar へようこそ。本記事は 3 日目の記事です。



多重ゼータ値間の関係式はたくさん知られていますが、それらの中でもひときわ強い輝きを放っているものに「大野関係式」というものがあります。ところが 2019 年 10 月、以下の論文がarXiv にアップロードされました;

[1910.07740] Linear relations of Ohno sums of multiple zeta values

これはいわば「大野大野関係式」とでも呼ぶべき関係式が見つかったという論文です。本記事はこの論文の、該当する定理の証明について行間を埋めながら和訳するものです。


まずは大野関係式について復習しましょう: r を正整数とし、 \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r) を正整数 r 個の組とします。このような \boldsymbol{k} をインデックスと呼びます。最後の成分 k_r2 以上のとき、\boldsymbol{k} を許容インデックスと呼びます。

許容インデックス \boldsymbol{k} に対し、多重ゼータ値 (multiple zeta value, MZV) を以下で定義します:

\displaystyle \zeta(\boldsymbol{k}) := \sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r}\frac{1}{n_1^{k_1}\cdots n_r^{k_r}}

\boldsymbol{k} が許容的なのでこの級数は収束します。


次に双対性を state します。\mathfrak{H}=\mathbb{Q}\langle x,y\rangle を有理係数二変数非可換多項式環 (Hoffman 代数とかよくいいます) とし、\mathbb{Q}-線型写像  Z:y\mathfrak{H}x\to\mathbb{R}Z(yx^{k_1-1}\cdots yx^{k_r-1})=\zeta(k_1,\cdots,k_r) で定めます。(線型写像と言っているので係数 1 の単項式の行き先だけで Z は決まり、さらに y\mathfrak{H}x の任意のそういった単項式は yx^{k_1-1}\cdots yx^{k_r-1} の形で一意に書けるのでこういう定め方ができます)


さて上の議論から y\mathfrak{H}x の単項式 yx^{k_1-1}\cdots yx^{k_r-1} と許容インデックス \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r) に一対一の対応がつくことがわかりました。これを使って、与えられた許容インデックス \boldsymbol{k} の双対 \boldsymbol{k}^{\dagger}y^{k_r-1}x\cdots y^{k_1-1}x に対応する許容インデックスと定義します。これは次のようにも言い換えられます: 許容インデックス \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r) は正整数 a_1,b_1,\cdots,a_s,b_s による一意な表示

\boldsymbol{k}=(\underbrace{1,\cdots,1}_{a_1-1},b_1+1,\cdots,\underbrace{1,\cdots,1}_{a_s-1},b_s+1)

を持つので, これによって \boldsymbol{k}^{\dagger}

\boldsymbol{k}=(\underbrace{1,\cdots,1}_{b_s-1},a_s+1,\cdots,\underbrace{1,\cdots,1}_{b_1-1},a_1+1)

と定めます。



このとき、次の定理が成り立ちます:


[定理 (双対性)]


許容インデックス \boldsymbol{k} に対し
\zeta(\boldsymbol{k})=\zeta(\boldsymbol{k}^{\dagger}).

これだけでも非常に美しく非自明な定理なのですが、大野関係式はこれをさらに強くします。非負整数 m と許容インデックス \boldsymbol{k} に対し大野和を以下で定義します:

\displaystyle O_m(\boldsymbol{k})=\sum_{\boldsymbol{e}\geq\boldsymbol{0}, |\boldsymbol{e}|=m} \zeta(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e}).

ここで、和の変数 \boldsymbol{e}=(e_1,\cdots,e_r) は非負整数 r 個の組であって各成分の和が m であるようなものをわたり、 \oplus は各成分ごとの和とします。以降 \boldsymbol{e}\geq\boldsymbol{0} は省略します。


このとき、大野和に対しても双対性が成り立つ O_m(\boldsymbol{k})=O_m(\boldsymbol{k}^{\dagger}) と主張するのが大野関係式です。当然 m=0 とすれば \zeta(\boldsymbol{k}) の双対性が得られます。大野関係式そのものの証明は補題 5 で行います。




さてこれから二重大野関係式を考えていきます。ステートメントは以下です: d,n_0,\cdots,n_{2d} を非負整数とし、インデックス \boldsymbol{k}y\mathfrak{H}x の単項式で書いたとき  y(xy)^{m_0}(yx)^{m_1+1}(xy)^{m_2+1}\cdots (yx)^{m_{2d-1}+1}(xy)^{m_{2d}}x と書けるものとします。このとき二重大野和を

\displaystyle O^2_{m_1,m_2}(\boldsymbol{k})=\sum_{|\boldsymbol{e}|=m_2} O_{m_1}(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e})

で定めると、これに関して双対性 O^2_{m_1,m_2}(\boldsymbol{k})=O^2_{m_1,m_2}(\boldsymbol{k}^{\dagger}) が成り立つというのが二重大野関係式です。インデックスの条件を言い換えると、非負整数 n_i\,(i=0,\cdots,2d) による表示

\boldsymbol{k}=(\underbrace{2,\cdots,2}_{n_0},1,\underbrace{2,\cdots,2}_{n_1},3,\cdots,\underbrace{2,\cdots,2}_{n_{2d-2}},1,\underbrace{2,\cdots,2}_{n_{2d-1}},3,\underbrace{2,\cdots,2}_{n_{2d}})

を持つようなもの、となります。



証明に際していくつか記号を準備していきます。

まず \tau:\frak{H}\to \frak{H} を単項式の変数を入れ替えて逆に読むことで定まる反自己同型 (つまり x^{n_1}y^{n_2}\cdots x^{n_{2d-1}}y^{n_{2d}}x^{n_{2d}}y^{n_{2d-1}}\cdots x^{n_2}y^{n_1} にうつし、定数倍を保存する写像) とし、\tau'x,y を入れ替えるだけで逆読みはしない自己同型とします。要するに \tau は双対をとる写像ですね。

次に \widehat{\frak{H}}=\mathbb{Q}\langle\langle x,y\rangle\rangle (非可換な冪級数環) とし、自己同型 \sigma:\widehat{\frak{H}}[[t]]\to\widehat{\frak{H}}[[t]]\sigma(x)=x, \sigma(y)=y(1-xt)^{-1} で定めます。これを使って非負整数m に対し \mathbb{Q}-線型写像 \sigma_m:\frak{H}\to\frak{H}\sigma をあててからt の次数が m の項をとる写像として定めます。

最後に線型写像 T:\frak{H}\to\frak{H} を単項式の単なる逆読み写像 (変数は入れ替えない) とし、I:\{\text{許容インデックス}\}\to\frak{H} を単項式に読み替える写像とします。

このとき

\begin{eqnarray*}\displaystyle \sigma I(\boldsymbol{k})&=&y(1-xt)^{-1}x^{k_1-1}\cdots y(1-xt^{-1})x^{k_r-1}\\&=&\sum_{e_1,\cdots,e_r\geq 0} yx^{k_1+e_1-1}\cdots yx^{k_r+e_r-1}t^{e_1+\cdots+e_r}\end{eqnarray*}

であるので、

\displaystyle\sigma_mI(\boldsymbol{k})=\sum_{|\boldsymbol{e}|=m} I(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e})

とわかります。定義より明らかに I(\boldsymbol{k}^{\dagger})=\tau I(\boldsymbol{k}) なので、結局二重大野関係式は次のように書き換えることができます:


[定理 (二重大野関係式)]


任意の w\in y\mathbb{Q}\langle xy,yx\rangle x と非負整数 m_1,m_2 に対し (\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}-\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z.



[補題1]


u\in\{x,y\} に対し S_u:\mathfrak{H}u\in vu\mapsto uv\in u\mathfrak{H} としたとき、\mathfrak{H}y 上で S^{-1}_y\sigma S_y=T\sigma T.

証明.
S^{-1}_y\sigma S_y, T\sigma T はともに \mathfrak{H}y 上の線型写像なので、単項式 wy (w\in\mathfrak{H}) に対していえば十分であることがわかります。

\begin{eqnarray*}\displaystyle S^{-1}_y\sigma S_y(wy)&=&S^{-1}_y\sigma(yw)\\&=&S^{-1}_y(y(1-xt)^{-1}\sigma(w))\\&=&(1-xt)^{-1}\sigma(w)y\end{eqnarray*}

である一方

\begin{eqnarray*}\displaystyle T\sigma T(wy)&=&T\sigma(yT(w))\\&=&T(y(1-xt)^{-1}\sigma T(w))\\&=&T\sigma T(w)(1-xt)^{-1}y\end{eqnarray*}

なので、結局 (1-xt)^{-1}\sigma(w)=T\sigma T(w)(1-xt)^{-1} をいえばいいことになります。ここで w の長さに関する帰納法を使います: w=x^n (n は非負整数) のときは自明で、次に w=w'yx^n とおくと

\begin{eqnarray*}\displaystyle T\sigma T(w)(1-xt)^{-1}&=&T\sigma (x^nyT(w'))(1-xt)^{-1}\\&=&T(x^ny(1-xt)^{-1}\sigma T(w'))(1-xt)^{-1}\\&=&T\sigma T(w')(1-xt)^{-1}yx^n(1-xt)^{-1}\end{eqnarray*}

ですが、帰納法の仮定によりこれは (1-xt)^{-1}\sigma(w')yx^n(1-xt)^{-1} に等しいです。一方で

\begin{eqnarray*}\displaystyle (1-xt)^{-1}\sigma(w)=(1-xt)^{-1}\sigma(w')y(1-xt)^{-1}x^n\end{eqnarray*}

なので主張を得ます。[証明終わり]


[補題2]




(1) y\mathfrak{H} 上で \tau'S^{-1}_y=S^{-1}_x\tau'.

(2) \mathfrak{H}x 上で S_y\tau'=\tau'S_x.

(3) x\mathfrak{H} 上で S_x^{-1}\sigma=\sigma S^{-1}_x.

証明.
いずれも両辺は \mathbb{Q}-線型なので単項式に対して示せばよいです。

(1)
\begin{eqnarray*}\displaystyle \tau'S^{-1}_y(yw)&=&\tau'(wy)\\&=&\tau'(w)x\\&=&S^{-1}_x(x\tau'(w))\\&=&S^{-1}_x\tau'(yw).\end{eqnarray*}

(2)
\begin{eqnarray*}\displaystyle S_y\tau'(wx)&=&S_y(\tau'(w)y)\\&=&y\tau'(w)\\&=&\tau'(xw)\\&=&\tau'S_x(wx).\end{eqnarray*}

(3)
\begin{eqnarray*}\displaystyle S^{-1}_x\sigma(xw)&=&S^{-1}_x(x\sigma(w))\\&=&\sigma(w)x\\&=&\sigma(wx)\\&=&\sigma S^{-1}_x(xw).\end{eqnarray*}
[証明終わり]


[補題3]


任意の w\in y\mathbb{Q}\langle xy,yx\rangle x と非負整数 m_1,m_2 に対し \sigma_{m_1}\tau\sigma_{m_2}\tau(w)=\tau\sigma_{m_2}\tau\sigma_{m_1}(w).

証明.
i=1,2 に対し \sigma^{(i)}\sigma^{(i)}(x)=x,\,\sigma^{(i)}(y)=y(1-xt_i)^{-1} で定まる \tilde{\mathfrak{H}}=\widehat{\mathfrak{H}}[[t_1,t_2]] 上の自己同型としたとき、この補題の等式は

\sigma^{(1)}\tau\sigma^{(2)}\tau(w)=\tau\sigma^{(2)}\tau\sigma^{(1)}(w)

と同値なので、以降これを示します。\tau=\tau'T=T\tau' は定義より明らかなので、補題1,2より

\begin{eqnarray*}\displaystyle \sigma^{(1)}\tau\sigma^{(2)}\tau&=&\sigma^{(1)}\tau'T\sigma^{(2)}T\tau'\\&=&\sigma^{(1)}\tau'S_y^{-1}\sigma^{(2)}S_y\tau'\\&=&\sigma^{(1)}S_x^{-1}\tau'\sigma^{(2)}\tau'S_x\\&=&S^{-1}_x\sigma^{(1)}\tau'\sigma^{(2)}\tau'S_x\end{eqnarray*}

となります。まったく同じ議論を \tau\sigma^{(2)}\tau\sigma^{(1)} でも行うことで、

\begin{eqnarray*}\displaystyle\tau\sigma^{(2)}\tau\sigma^{(1)}=S^{-1}_x\tau'\sigma^{(2)}\tau'\sigma^{(1)}S_x\end{eqnarray*}

がわかります。(当然これらの等式は \tilde{\mathfrak{H}}x 上で成り立つものです。) この二つの等式から

\begin{eqnarray*}\displaystyle S^{-1}_x\sigma^{(1)}\tau'\sigma^{(2)}\tau'S_x=S^{-1}_x\tau'\sigma^{(2)}\tau'\sigma^{(1)}S_x\end{eqnarray*}

をいえばいいことになりますが、両辺の S_x^{-1}S_x で囲まれた部分はともに \tilde{\mathfrak{H}} 上の環準同型なので、結局のところ等式

\begin{eqnarray*}\displaystyle \sigma^{(1)}\tau'\sigma^{(2)}\tau'=\tau'\sigma^{(2)}\tau'\sigma^{(1)}\end{eqnarray*}

\{xy,yx\} 上で示せば十分です。ここで明らかに \sigma^{(1)}\tau'\sigma^{(2)}\tau'(yx)=\tau'\tau'\sigma^{(1)}\tau'\sigma^{(2)}(xy)\tau'\sigma^{(2)}\tau'\sigma^{(1)}(yx)=\tau'\sigma^{(2)}\tau'\sigma^{(1)}\tau'(xy) なので、対称性より xy についていえば十分となります。定義通りに両辺を計算すると

\begin{eqnarray*}\displaystyle \sigma^{(1)}\tau'\sigma^{(2)}\tau'(xy)&=&xy(1-xt_1)^{-1}(1-y(1-xt_1)^{-1}t_2)^{-1}\\&=&xy(1-xt_1-xt_2)^{-1}\\\tau'\sigma^{(2)}\tau'\sigma^{(1)}(xy)&=&xy(1-xt_1-xt_2)^{-1}\end{eqnarray*}

となり、補題が示せました。
[証明終わり]




[補題4]


V\mathbb{Q}-ベクトル空間、\tilde{Z}:y\mathfrak{H}x\to V\mathbb{Q}-線型写像とし、任意の非負整数 mw\in y\mathfrak{H}\rangle x に対し (\sigma_m-\tau\sigma_m\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,\tilde{Z} を仮定する。このとき任意の非負整数 m_1,m_2w\in y\mathbb{Q}\langle xy,yx\rangle x に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle (\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}-\tau\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,\tilde{Z}\end{eqnarray*}

が成り立つ。


証明.
明らかに

\begin{eqnarray*}\displaystyle\tilde{Z}(\tau\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}\tau(w))=\tilde{Z}(\tau\sigma_{m_1}\tau\tau\sigma_{m_2}\tau(w))\end{eqnarray*}

ですが、仮定を m_1\tau\sigma_{m_2}\tau(w) に対して使うと

\begin{eqnarray*}\displaystyle\tilde{Z}(\tau\sigma_{m_1}\tau\tau\sigma_{m_2}\tau(w))=\tilde{Z}(\sigma_{m_1}\tau\sigma_{m_2}\tau(w))\end{eqnarray*}

となり、補題 3 が使えて

\begin{eqnarray*}\displaystyle\tilde{Z}(\sigma_{m_1}\tau\sigma_{m_2}\tau(w))=\tilde{Z}(\tau\sigma_{m_2}\tau\sigma_{m_1}(w))\end{eqnarray*}

となります。ここで再び仮定を、今度は m_2\sigma_{m_1}(w) に対して使うことで

\begin{eqnarray*}\displaystyle\tilde{Z}(\tau\sigma_{m_2}\tau\sigma_{m_1}(w))&=&\tilde{Z}(\sigma_{m_2}\sigma_{m_1}(w))\\&=&\tilde{Z}(\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}(w))\end{eqnarray*}

となり、主張が示せました。

証明終わり.




[補題5 (大野関係式)]


任意の非負整数 mw\in y\mathfrak{H}x に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle (\sigma_m-\sigma_m\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z\end{eqnarray*}

が成り立つ。


証明.
これは Hoffman 代数での主張ですが、最初に示した等式

\displaystyle\sigma_mI(\boldsymbol{k})=\sum_{|\boldsymbol{e}|=m} I(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e})

より、多重ゼータ値のことばで書き直すと

\begin{eqnarray*}\displaystyle \sum_{|\boldsymbol{e}|=m} \zeta(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e})=\sum_{|\boldsymbol{e}'|=m} \zeta(\boldsymbol{k}^{\dagger}\oplus\boldsymbol{e}')\end{eqnarray*}

となります。最初でもそうしていたように、左辺を O_m(\boldsymbol{k}) と書くことにします。これの m に関する母関数をとり、これを Z(\boldsymbol{k};x) とかくことにすると、結局は双対性 Z(\boldsymbol{k};x)=Z(\boldsymbol{k}^{\dagger};x) を示せばよいことになります。Z(\boldsymbol{k};x) は定義より

\begin{eqnarray*}\displaystyle Z(\boldsymbol{k};x)&=&\sum_{\boldsymbol{e}} \zeta(\boldsymbol{k}\oplus\boldsymbol{e})x^{|\boldsymbol{e}|}\\&=&\sum_{e_1,\cdots,e_r\geq{0}}\sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r} \frac{x^{e_1+\cdots+e_r}}{n_1^{k_1+e_1}\cdots n_r^{k_r+e_r}}\\&=&\sum_{0 < n_1 < \cdots < n_r} \frac{1}{n_1^{k_1-1}(n_1-x)\cdots n_r^{k_r-1}(n_r-x)}\end{eqnarray*}

となります。ここでインデックス \boldsymbol{k}=(k_1,\cdots,k_r), \boldsymbol{l}=(l_1,\cdots,l_s) に対し

\begin{eqnarray*}\displaystyle Z(\boldsymbol{k};\boldsymbol{l};x)=\sum_{0 < m_1 < \cdots < m_r\atop{0 < n_1 < \cdots < n_s}} \frac{(1-x)_{m_r}(1-x)_{n_s}}{(1-x)_{m_r+n_s}}\prod_{i=1}^r\frac{1}{m_i^{k_i-1}(m_i-x)}\prod_{j=1}^s\frac{1}{n_j^{l_j-1}(n_j-x)}\end{eqnarray*}

とおきます。ただし (x)_N=\Gamma(x+N)/\Gamma(x) は Pochhammer 記号です。このとき明らかに対称性 Z(\boldsymbol{k};\boldsymbol{l};x)=Z(\boldsymbol{l};\boldsymbol{k};x) が成り立ち、また非負整数 R,N に対して成り立つ簡単な等式

\begin{eqnarray*}\displaystyle \sum_{M=R+1}^{\infty} \frac{(1-x)_M(1-x)_N}{(1-x)_{M+N}}=\frac{(1-x)_{R}(1-x)_{N}}{(1-x)_{R+N}}\end{eqnarray*}

から Z(\boldsymbol{k},k_{r+1}+1;\boldsymbol{l};x)=Z(\boldsymbol{k},k_{r+1};\boldsymbol{l},1;x) もわかります。この関係式を繰り返し適用することで双対性 Z(\boldsymbol{k};x)=Z(\boldsymbol{k}^{\dagger};x) が得られます。
証明終わり.



[定理 (二重大野関係式)]


任意の w\in y\mathbb{Q}\langle xy,yx\rangle x と非負整数 m_1,m_2 に対し (\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}-\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z.

証明.
補題 5 において m=0 とすると (1-\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z となる (これは明らかに MZV の双対性です) ので、これを (\sigma_m-\sigma_m\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z において適用することで (\sigma_m-\tau\sigma_m\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z となります。したがって補題 4 において (V,\tilde{Z})=(\mathbb{R},Z) と選ぶと仮定が満たされているので

\begin{eqnarray*}\displaystyle (\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}-\tau\sigma_{m_1}\sigma_{m_2}\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z\end{eqnarray*}

が成り立つことがわかります。一方先ほど使った MZV の双対性 (1-\tau)(w)\in\mathrm{Ker}\,Z より上記等式の最初の \tau を除去できて、定理を得ます。
証明終わり.


Acknowledgements. 原論文の行間埋めに詰まっていたところ、補題 1 の証明を与えてくれた Oddie さん @math_elliptic さんに感謝します。また、全体的な議論に付き合ってくださった GSC ROOT プログラムの皆さん (特に 後藤珀斗 くん) に感謝します。

complex-weighted gamma function

内容がある記事ではないですが, とりあえず (誰もやっていなかったのなら) ぼくが真っ先に考えた関数, ということを証明するためにここにメモしておきます.

複素数 \alpha に対し, complex-weighted Hurwitz zeta function を以下で定めます:

\begin{eqnarray*}\displaystyle \zeta^{\alpha}(s,w)=\frac{1}{\Gamma(s)}\int_0^{\infty} \frac{e^{-wt}}{(1-e^{-t})^{\alpha}}t^{s-1}\,dt.\end{eqnarray*}

ここから complex-weighted gamma function を \log\Gamma^{\alpha}(w)=\frac{\partial}{\partial s}\zeta^{\alpha}(0,w) で定めます. もちろん \Gamma^{1}(w)=\Gamma(w)/\sqrt{2\pi}.



より一般に, {\boldsymbol{\alpha}}\in\mathbb{C}^r に対し complex-weighted Barnes multiple zeta functions を

\begin{eqnarray*}\displaystyle \zeta^{\boldsymbol{\alpha}}_r(s,w;{\boldsymbol{\omega}})=\frac{1}{\Gamma(s)}\int_0^{\infty} \frac{e^{-wt}}{\prod_{i=1}^r(1-e^{-\omega_it})^{\alpha_i}}t^{s-1}\,dt.\end{eqnarray*}

で定め, s=-k での微分係数\log \Gamma^{{\boldsymbol{\alpha}}}_r(w;{\boldsymbol{\omega}}) とします. これを complex-weighted multiple gamma functions と呼ぶことにします.

青鬼6.23RTAの話

突然ですが、青鬼 というゲームがあります。

ウェブ上で無料配布されている謎解き型ホラーゲームです。青い謎のオバケから逃げ回って探索をしていきます。

私は数年前からこのゲームのRTA(リアルタイムアタック)をやっておりまして、それに必要な技術について少し考察したのでここに述べておきます。




青鬼は先述の通り鬼から逃げるゲームでもあるのですが、その中のワンシーンに 地下牢 が登場します。

f:id:O_V_E_R_H_E_A_T:20190809024326p:plain
地下牢

この中に落ちている鍵 (光っているものがそれです) を拾うと、下の扉から青鬼が入ってきます。しかし彼 (?) は牢の扉を開けることができず、しばらく放っておくと突然画面が切り替わり鬼の顔がアップになって鉄格子を揺らしてくるシーンが挿入されます。

初見の人をビビらせるシーンの一つであり、実況プレイ動画では名物となっています。




しかしタイムアタックをやるうえではこのような演出を待っていては大幅なタイムロスになります。したがって、鬼が入ってきたらすぐに牢の扉を開け、檻の中でうまく鬼をかわして出ていく必要があるわけです。


さて言葉を定義しましょう。まず檻の中の面積は 3\times 7 マスあります。今からここに離散的な座標を振っていきます: 左上のマスを (1,1) とし, 右下のマスを (3,7) とおきます。上の画像でひろし (主人公) が立っているのは (2,3) ですね。


鬼を檻の中でかわすには、檻の中の一番外側をぐるっと回るのが一番確実だというのが容易に推測できます。扉の目の前は (3,2) ですから、扉を開けたらすぐに右へ走り、(3,7) についたら鬼を引き付けながら上へ走って (1,7) へ、そこから左に走って (1,2) に着き、真下へ向かって脱出という具合です (下記動画の 3:43 からがわかりやすいです。当然ながらホラー注意。)


【青鬼TA】営業成績一位の男にガチ実況させてみた コメント有


この脱出方法では、ひろしが面積 3\times 6 の長方形の外周を走って逃げていると考えられます。こういった脱出方法を [3,6]-type と呼ぶことにしましょう。


より一般に、面積 m\times n の長方形の上を逃げる方法を [m,n]-type と定めます (1\leq m \leq 3, 1\leq n \leq 6)。また、整数 m,n に対し [m,n]-type で実際に逃げ切れる場合 (m,n) は檻脱出問題の解である ((m,n) gives a solution of the escaping-in-jail problem) と呼ぶことにします。





さて、以下のような問題が考えられます:


[檻脱出問題の minimal solution]


檻脱出問題の解となる m,n の最小値はいくらか?

m=1,n=1 は明らかに解になりえないので、m\geq{2} かつ n\geq{2} を仮定します。





上記の結果 (王定六, 2011) より (m,n)=(3,6) という解が与えられました。しかしこれは最小ではなく、青にいと (2015) によってより強い評価が得られました:



\textbf{Theorem (Ao-Neet, 2015)}



檻脱出問題には解 (m,n)=(3,3) が存在する。

証明はこちら:

なお、青にいと氏の上記動画は青鬼 6.23のタイムアタックで現行最速となっています。



そして以下が私の主定理です:



\textbf{Theorem (Takenoko-Sekigun, 2019)}



檻脱出問題には解 (m,n)=(3,2), (2,3), (2,2) が存在する。

証明はこちら:


青鬼6.23檻脱出問題 ([2,2] 成功版)


仮定より、(m,n)=(2,2) の評価が最も強いので、檻の中での回避の最短ケースもこれで確定しました。

The structure of some operators of q-multiple gamma functions

メモ書きのような体裁で申し訳ありませんが, 忘れないうちに.


まず Shibukawa-Tanaka 型 q-multiple zeta:

\begin{eqnarray*}\displaystyle \zeta_r^q(s,w;{\boldsymbol{\omega}})=\sum_{b=\pm 1}\zeta_{r+1}(s,w;{\boldsymbol{\omega}},b\tau')-\zeta_r(s,w;{\boldsymbol{\omega}}).\end{eqnarray*}

とりあえず w,\omega_i は片側条件 (SOC のほうがいいか) を満たし, \tau' は上半平面の元とします.

\log\Gamma_{r,k}^q(w;{\boldsymbol{\omega}})=\frac{\partial}{\partial s}\zeta^q_r(-k,w;{\boldsymbol{\omega}})

は q-BM type multiple gamma. ぼくが導入した type の奴です. これは微分での reduction 条件 (Kinkelin's formula)

\frac{d}{dw}\log\Gamma^q_{r,k}(w;{\boldsymbol{\omega}})=k\log\Gamma^q_{r,k-1}(w;{\boldsymbol{\omega}})

を満たします. また ladder structure もあります. そして Tanaka type product expression が

\Gamma^q_{r,k}(w;{\boldsymbol{\omega}})=\exp\left(\frac{k!}{(\log q)^k}\sum_{n=1}^{\infty} \frac{q^{nw}}{n^{k+1}\prod_{j=1}^r (1-q^{n\omega_i})}\right)

です. Kinkelin と ladder はここから自明.



まぁとりあえず, 中身を抜き出しておきます:

\begin{eqnarray*}\displaystyle L_{r,k}(x;{\bf q}):=\sum_{n\geq{1}} \frac{x^n}{n^k\prod_{i=1}^r (1-q_i^n)}.\end{eqnarray*}

こうすると

\begin{eqnarray*}\displaystyle L_{r,k}(x;{\bf q})-L_{r,k}(xq_i;{\bf q})&=&L_{r-1,k}(x;{\bf q}\langle{i}\rangle)\\\frac{d}{dw}L_{r,k}(x;{\bf q})&=&L_{r,k-1}(x;{\bf q})\\\lim_{q_i\to 1}(1-q_i)L_{r,k}(x;{\bf q})&=&L_{r-1,k+1}(x;{\bf q})\\\sum_{m=0}^{\infty} L_{r,k}(xq_{r+1}^m;{\bf q})&=&L_{r+1,k}(x;{\bf q},q_{r+1})\end{eqnarray*}

ですね. それぞれ上から ladder, Kinkelin, Raabe と対応しますが, 一番下は何でしょうね. もしかしたら Shintani type product かな ? まぁともかく, これらを作用素と思って, 上から P_x, K, R_x, S_x と書くことにします (変数は当然動かすもの). そうすると R_x=K^{-1}P_x, S_x=P_x^{-1} ですね. 要するに (いまは) 本質的には P_x, K だけということです. なのでとりあえず今はこれらを生成元にした代数を考えたいですね (何かイイ感じの環係数の二変数多項式環の word とおもったほうがいいかも.).

まぁともかく, L_{r,k} はなんかいいかんじの polylog の一般化と思えそうなので, それらの parameter をある程度自由に調整できる作用素がほしかったわけです. r=0 (古典全振り) ならただの polylog になりますし, k=1 (量子全振り) なら Narukawa の q-polylog になります. せきゅーんさんの言葉を借りれば, 一般の L_{r,k} は ``変身途中" みたいなものですね. ねむい, 明日 (今日) は複素代数幾何セミナー発表ですが準備ぜんぜんおわってないです. 層むずい. Hartshorne で勉強したら fiber space の感覚にはなれないですね.





ところで, L_{r,k} の分母, 普通のべき乗と何かの変数が絡んだ因子が混ざり合ってるわけですけど, これ Ohno sum の母関数ににてませんか.

BM 型多重ガンマ関数とその周辺 (1)

この記事はこの曲を聴きながら読むのがオススメです:
Prince - Days Of Wild

Prince - Days of Wild



最近、私の BM 型多重ガンマ関数に関する結果が二つ出ました:

[1905.08068] The $q$-multiple gamma functions of Barnes-Milnor type

[1906.00344] Asymptotic Expansions for the multiple gamma functions of Barnes-Milnor type

しかしまぁ知名度の低い分野であることには変わりなく、この場でゆる~い入門記事でも書こうと思います。前提知識の要求はしませんが、変形はそこまで親切ではないのでちょっと慣れている必要があるかもしれません。

Barnes の多重ゼータ関数を以下で定めます:

\begin{eqnarray*}\displaystyle\zeta_r(s,w;{\boldsymbol{\omega}})=\sum_{\mathbf{n}\geq\mathbf{0}} (\mathbf{n}\cdot{\boldsymbol{\omega}}+w)^{-s}.\end{eqnarray*}

ここで r\geq{1}, {\boldsymbol{\omega}}=(\omega_1,\cdots,\omega_r) は実部が正の複素数 r 個の組とします。\mathbf{n}=(n_1,\cdots,n_r) は整数 r 個の組で、和の約束 \mathbf{n}\geq\mathbf{0}i=1,\cdots,r に対して n_i\geq{0} を意味するものとします。

変数 w はとりあえず実部が正としておきましょう。級数は今のところ \mathrm{Re}(s)>r で絶対かつ一様に収束するので、とりあえずこの範囲内で考えておきます。

いろいろやることはありますが、とりあえず特殊値でも計算してみましょう。準備のため多重 Bernoulli 多項式 a_{r,n} を以下で定めます:

\begin{eqnarray*}\displaystyle e^{-wt}f_{\boldsymbol{\omega}}(t)=\sum_{n\geq{-r}} a_{r,n}(w;{\boldsymbol{\omega}})t^n.\end{eqnarray*}

a_{r,n}wr+n多項式であることは簡単に示せます。さて実部が正の $a$ に対する古典的な公式

\begin{eqnarray*}\displaystyle a^{-s}\Gamma(s)=\int_0^{\infty} e^{-at}t^{s-1}\end{eqnarray*}

によって

\begin{eqnarray*}\displaystyle \zeta_r(s,w;{\boldsymbol{\omega}})&=&\Gamma(s)^{-1}\int_0^{\infty} f_{\boldsymbol{\omega}}(t)e^{-wt}t^{s-1}\end{eqnarray*}

がわかりますね。さてこの積分を次のようにカチ割りましょう:

\begin{eqnarray*}\displaystyle\Gamma(s)\zeta_r(s,w,{\boldsymbol{\omega}})&=&I_1(s)+I^n_2(s)+I^n_3(s)\\I_1(s)&=&\int_1^{\infty} f_{\boldsymbol{\omega}}(t)e^{-wt}t^{s-1}\,dt\\I^n_2(s)&=&\int_0^1 \left(\sum_{k=-r}^{n} a_{r,k}(w;{\boldsymbol{\omega}})t^k\right)t^{s-1}\,dt\\I^n_3(s)&=&\int_0^1 \left(f_{\boldsymbol{\omega}}(t)e^{-wt}-\sum_{k=-r}^{n} a_{r,k}(w;{\boldsymbol{\omega}})t^k\right)\\&{}&\times t^{s-1}\,dt.\end{eqnarray*}

この「被積分関数(の一部)を Laurent 展開して有限項ぶっこ抜く」は後々使う便利なメソッドなので覚えておいてください。

さてこのとき明らかに I_1 は整関数で、かつ I_3^n は中身が t\to{0}O(t^{n+s-1}) ぐらいのサイズなので \mathrm{Re}(s)>-n-1 で正則ですね。というワケで

\begin{eqnarray*}\displaystyle\zeta_r(-n,w,{\boldsymbol{\omega}})&=&\lim_{s\rightarrow{-n}}\frac{1}{\Gamma(s)}(I_1(s)+I^n_2(s)+I^n_3(s))\\&=&\lim_{s\rightarrow{-n}} \frac{1}{\Gamma(s)}\int_0^1 \left(\sum_{k=-r}^{n} a_{r,k}(w;{\boldsymbol{\omega}})t^k\right)\\&{}&\times t^{s-1}\,dt\\&=&\lim_{s\rightarrow{-n}}\frac{1}{\Gamma(s)}\sum_{k=-r}^n \frac{a_{r,k}(w;{\boldsymbol{\omega}})}{s+k}\\&=&(-1)^nn!a_{r,n}(w;{\boldsymbol{\omega}})\end{eqnarray*}

となります(最後でガンマ関数の留数の情報を使いました)。コレは Hurwitz ゼータの負整数点での値が Bernoulli 多項式で書けるという結果の一般化です。

あともういくつか a_{r,n} の情報をみていきましょう。母関数は (\frac{\partial}{\partial w}+1)e^{-wt}f_{\boldsymbol{\omega}}(t)=0 を満たすので、係数比較すると

\begin{eqnarray*}\displaystyle \frac{d}{dw}a_{r,n}(w;{\boldsymbol{\omega}})=-a_{r,n-1}(w;{\boldsymbol{\omega}})\end{eqnarray*}

となります。微分するとマイナスがついて位数 (って言っていいのか?) が下がる、というワケですね。

んで次は二つの母関数 e^{-wt}f_{\boldsymbol{\omega}}(t), e^{-at}f_{\boldsymbol{\alpha}}(t) を畳み込んでみましょう: 計算はめんどい (マジで畳み込むだけ) ので略しますが、

\begin{eqnarray*}\displaystyle a_{r+l,k}(w+a;({\boldsymbol{\omega}},{\boldsymbol{\alpha}}))=\sum_{N=-l}^{r+k} a_{l,N}(a;{\boldsymbol{\alpha}})a_{r,k-N}(w;{\boldsymbol{\omega}})\end{eqnarray*}

となります。

ちょっと休憩。続きはまたいつか。